2010年04月28日

ジル#5

[シーパラダイス・アノードとカソードの意見]
smoke type-L

忘れる事などなくなくない
知らないなら教えてあげる

焦げた肺胞と回転木馬式脳
そろそろ来るクルクル目眩
やがて桃色に染まる
葵き壁にて淀むアレ

貴方の存在とはそんな意味

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from -G.W 0017-
「シュガーサンダーの誘惑」より抜粋



想いはすべてに先んずる・・・

知らなければいけない事実
知らなくてもよかった真実
ほんの小さな出来事にさえ
私の弱々しく繊細な精神は
真冬の酷い群青の雨の中で
ただ怯えているだけの弱者
箱庭を飛び出して自由を得ても
それは偽りの張り子
その後はいつもと変わらぬ箱船の生活
次第に私の体は鋼の様に..


-此処迄ノ話-

二日前の航海中で私は海豚と名のる者に出会う
彼が何者で何処から現れたのかは
突然雷の様に目の前に現れたので覚えてはいない
大袈裟な言方だが天使か悪魔の類いだった様な
気が今にして思えば・・・である

彼はニヤニヤと軽いノリで
「何かお困りですか?」と言い寄って来た

別に相手にしなくても良かったが
十分な暇つぶしになるかと思った

私は彼にこれ迄の経緯を話す
すると彼は少し深刻な感じで
しかし直ぐまたニヤリとした

何か閃いたのだろうか

彼はまず この海域の名は「アリス」
私が向かおうとする場所は「オペラ」
そして私が見た光の主は「サラ」ということ教えてくれた
そしてこの海はまもなく蒸発するのだと言う
それは本当の事なのだろうか
また彼はそれがいつ起こるのかも知っていると言う
もしそれが本当ならば私は急いで
目的地へ行かなければいかなくなる

すると彼はその目的地への最短のルートがあると言ってきた
このただ広がる群青の海のどこに近道があるのかは疑問だ
そして彼は私にこう言った
「三日後の昼過ぎに一瞬、この海が凪状態になった後
とてつもない海潮音が響くんだ。」
「その後シーパラダイスというもの凄く早い波が流れて来るから
その流れに沿って辿り着いた先で待つ海豹に、
君は、そうだなぁ・・・錻力と名乗ってくれないか?」
「その後は海豹が上手くやってくれるから、
海星と海月の光を頼って君はサラに会いに行けばいい。」

私は今、彼に助けられているのだろうか?
それとも誘惑されているのだろうか?

正直私は彼の話が理解できないでいた
しかしこのまま先の見えない航海を続けていても仕方ないし
私の体もそう長くは保たないだろうから
この話を信じてみようかと思う
この雷の様に現れた男の甘い誘惑に・・・


想いはすべてに先んずる・・・
ささやかな未来を覗いてみる
とても静寂であっていても
哀しいとか陰な事なんてない
・・・はずなのだ

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posted by tt-vox at 04:53| Words | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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